環境感染
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メチシリン耐性Staphylococcus aureus (MRSA) 感染症対策の疫学マーカーとしての抗菌剤耐性パターンによる型別
三木 寛二笠倉 新平貫名 正文仲西 寿男坂崎 利一
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1992 年 7 巻 1 号 p. 1-4

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抄録
当院で収集したMRSA129株をGillespieらの方法に従い感受性テストを行った. さらに, 20~80%の菌株が耐性を示したアミカシソ, クロラムフェニコール, クリンダマイシン, ゲンタミシン, ネオマイシン, ストレプトマイシン, トブラマイシン, アクリフラビン, 硝酸カドミウムおよび臭化エチジウムの合計10種類の化学療法剤および重金属を選び, これらの耐性パターンで型別した. 供試株は55表現型に分けられ, ある病棟では特定の表現型に偏りがみられ病院感染の疑いが示唆されたが, それ以外の病棟では表現型の偏る傾向はみられなかった. MRSAの病院感染疫学追究のマーカーとして, 本テストは再現性, 手技の簡便性, 迅速性および経済性の点で臨床細菌検査室に適した方法と思われる.
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© 日本環境感染学会
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