抄録
海外旅行の経験のない76歳, 女性患者から, 1988年6月2日に採取した気管支肺胞洗浄液の培養で検出されたSalmomlla typhiの鞭毛抗原がZ66であった. このことから, 大阪市立桃山病院感染症センターに収容された腸チフス患者12人から経日的に検出・保存された菌株を用い, 特別な相変換操作を行うことなく鞭毛抗原Z66とjの出現状況を調べた. その結果, 海外旅行経験のない患者から検出されたUVS1以外のファージ型の菌株もZ66抗血清によって明瞭に凝集したが, j抗原を発現していた株はなかった・またUVS1も含めて分離日の異なる同一患者由来菌株が, dとZ66を同時に, または交互に発現することもわかった.