環境感染
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遠赤外線熱風加熱によるウイルス不活化試験
加瀬 哲男前田 章子峯川 好一横山 浩坂上 吉一
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1992 年 7 巻 2 号 p. 39-42

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抄録
最近, 開発された遠赤外線熱風加熱処理装置を用いて, アデノウイルス (ADV) と単純ヘルペスウイルス (HSV) における加熱不活化試験を行った. ADVは, 120℃5分の加熱処理ではウイルスの感染価は低下したが, 細胞毒性, 感染性粒子の産生, 抗原性, 核酸の保存性の試験したすべての活性指標において陽性であった. しかし, 200℃30分以上の処理ではこれらすべての活性指標は陰性となり, ADVに対する滅菌処理の標準法が示された. 一方, HSVは, 100℃5分の加熱処理でウイルス感染価が検出限界以下となり, ADVに比べて低温でも不活化されることがわかった.
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© 日本環境感染学会
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