予防精神医学
Online ISSN : 2433-4499
学齢期のメンタルヘルス対策を考える  ~幼児期の発達障害児支援とのつながりの中で~
全 有耳弓削 マリ子森本 昌史
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 4 巻 1 号 p. 102-108

詳細
抄録
現代の子どもの心の健康問題は社会環境の変化ともあいまって複雑化、重複化している。この複雑化した問題に学校のみで対応するには限界が生じており、学校以外の医療、保健、福祉、教育関係者の協働は不可欠な状況にある。 本編では、幼児期の発達障害児支援システム構築の際に培われた地域の医療、保健、福祉、教育の関係機関の連携・協働が、学齢期のメンタルヘルス対策事業の着手から定着へと発展した自治体の事例を紹介する。 幼児期の発達障害児支援の意義は、成長・発達の過程でメンタルヘルス問題の併存リスクの高い子どもへの早期支援が可能となること、さらに養育者への支援が親子のメンタルヘルスの向上につながることにあると考えられた。学齢期のメンタルヘルス対策事業の意義は、児童自身が回答する健康観察票の導入により、客観的に児童の有する困り感に気づくことが可能となり早期介入の契機となること,多職種によるカンファレンスが教職員のメンタルヘルス問題への対応力の向上につながること等があり、学校をベースにしたメンタルヘルス対策の必要性が確認された。学校におけるメンタルヘルスシステムの構築のためには、地域の関係機関が従来の枠組みを越えて連携・協働することが必要である。
著者関連情報
© 2019 日本精神保健・予防学会
前の記事 次の記事
feedback
Top