Japanese Journal of Endourology
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体腔鏡手術
褐色細胞腫術後のカテコラミン補充に関する臨床的検討
内海 孝信川村 幸治今本 敬二瓶 直樹納谷 幸男鈴木 啓悦市川 智彦
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2011 年 24 巻 2 号 p. 300-305

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抄録

 褐色細胞腫は,腫瘍摘出後に低血圧となり輸液による容量負荷のみでは改善せず,カテコラミン補充を必要とする症例が少なからず存在する.今回,当院において褐色細胞腫に対して副腎摘除術を施行した症例を用いて,術後カテコラミン補充に関する臨床的検討を行った.1997年8月から2010年9月までに手術施行され診療録から術後カテコラミン補充に関する経過が確認できた44例を対象とした.術後カテコラミン補充の有無及びその補充期間に関して,各臨床項目との関係を統計学的に解析した.多重ロジスティック回帰分析の結果,術後カテコラミン補充が必要となる症例を予測する因子として,術前の血中アドレナリン値及び術中の最大Catecholamine Indexで有意差を認めた.術後カテコラミン補充を必要とした期間と有意な相関を認める臨床項目はなかった.

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© 2011 日本泌尿器内視鏡学会
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