悪性疾患による尿管閉塞(Malignant Ureteral Obstruction:MUO)を来した場合,尿管ステント留置や腎瘻造設が考慮される.今回我々はMUO症例に尿管ステントを留置した場合,その後無効となることを予測する因子を検討した.2001年1月から2010年12月までに52例のMUO症例に尿管ステントを留置した.12例(23.1%)がステント無効となった.年齢,性別,原疾患,閉塞機転,両側水腎症の有無,血清クレアチニン値とステント無効の関連を統計学的に解析した.単変量解析では「後腹膜線維症」,「両側水腎症」,「血清クレアチニン値4mg/dl以上」が有意にステント無効と関連があり,多変量解析では「血清クレアチニン値4mg/dl以上」のみが統計学的に有意であった.MUO症例に対して尿管ステント留置を考慮する場合には,血清クレアチニン値が重要な因子であることが示唆された.