Japanese Journal of Endourology
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Endourology
悪性疾患による尿管閉塞に対する尿管ステント留置後無効となる予測因子の検討
池端 良紀高橋 敦新海 信雄橋本 次朗高木 良雄
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2013 年 26 巻 1 号 p. 131-134

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抄録

 悪性疾患による尿管閉塞(Malignant Ureteral Obstruction:MUO)を来した場合,尿管ステント留置や腎瘻造設が考慮される.今回我々はMUO症例に尿管ステントを留置した場合,その後無効となることを予測する因子を検討した.2001年1月から2010年12月までに52例のMUO症例に尿管ステントを留置した.12例(23.1%)がステント無効となった.年齢,性別,原疾患,閉塞機転,両側水腎症の有無,血清クレアチニン値とステント無効の関連を統計学的に解析した.単変量解析では「後腹膜線維症」,「両側水腎症」,「血清クレアチニン値4mg/dl以上」が有意にステント無効と関連があり,多変量解析では「血清クレアチニン値4mg/dl以上」のみが統計学的に有意であった.MUO症例に対して尿管ステント留置を考慮する場合には,血清クレアチニン値が重要な因子であることが示唆された.

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© 2013 日本泌尿器内視鏡学会
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