Japanese Journal of Endourology
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特集4:泌尿器内視鏡治療とチーム医療
結石内視鏡治療
多武保 光宏奴田原 紀久雄
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2014 年 27 巻 1 号 p. 112-117

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抄録
 尿路結石症に対する代表的な内視鏡治療には腎結石および尿管結石に対する経皮的結石破砕術(Percutaneous nephro-uretero lithotripsy;PNL),経尿道的結石破砕術(Transurethral lithotripsy;TUL) がある. 近年,PNLやTULの適用が広がってきており,これら内視鏡治療は医師や看護師,臨床工学技士などによるチーム医療が必要不可欠である.手術を行うにあたり医師は術前に患者や家族へ十分な説明を行うことはもちろんであるが,多くの患者は入院の経験が少ないので看護師は入院オリエンテーションを行う.手術当日は病棟看護師から手術室看護師へ詳細な申し送りを行い,情報の共有化を行う.結石内視鏡治療は様々な手術機器を使用するので,手術室看護師は手術が円滑にできるように機器の準備や配置を行う.これら医療機器(Medical equipment;ME)は保守管理が必要で,特にレーザー手術装置は取り扱いを誤ると二次的な事故につながるので,MEの保守管理は臨床工学技士の全面的な協力の下で行う.手術を安全に行うためには医師の手術チームの教育と連携が必要不可欠であり,各症例の難易度や危険性に応じて術者を選別し経験を積み重ねていく.PNLにおいては腎瘻作成や内視鏡による砕石・抽石など様々な手技の組み合わせであるので 習熟した指導者の下でstep by stepでの教育がリーズナブルである.結石内視鏡治療術後の敗血症性合併症は決して珍しいことではないので,術後の全身管理は看護師との連携と情報の共有化の下で血圧の低下や意識レベルの低下など敗血症性合併症の徴候を見逃さないように十分に注意して行うべきである.PNL後に仮性動脈瘤や動静脈瘻などを認めた場合は,Interventional radiologistと連携して腎血管造影や血管塞栓術を検討するべきである.
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© 2014 日本泌尿器内視鏡学会
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