抄録
TULの術前に予めステントを留置(prestenting,以下pS)することが,治療成績の向上につながるか検討した.
2010年から2012年にかけて171名(pSなし133例とpSあり38例)にTULを行った.結石長径の中央値はそれぞれ8mm,9mmであった.pSあり38名がステント留置となった理由は感染26例,前回TUL失敗例10例,より末梢側の結石のTUL後が2例であった.
腎・上部尿管結石の完全排石(率)はpSなし40/64例(63%),pSあり24/29例(83%)(P=0.051) で, 中・下部尿管ではpSなし66/69例(96%),pSあり9/9例(100%)であった.多重ロジスティック回帰分析では,結石部位とpSの有無がTULの完全排石についての独立予後因子となった.
pSはTULに際して全例ルーチンに必要なものとはいえないが,pSを行うことで腎・上部尿管結石の治療成績が向上することが示唆された.