Japanese Journal of Endourology
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特集1:JUA/JSEプロクター認定制度
プロクター認定制度の概要
白木 良一
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2015 年 28 巻 2 号 p. 151-157

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抄録
 本邦におけるロボット支援手術は前立腺癌に対する健康保険適応が2012年4月に認可され,その後より急速に普及した.2014年末までに約200台のダビンチ・サージカルシステムが国内に導入され米国に次ぐ世界第2位の保有国となった.ダビンチは鉗子操作性の自由度が3次元となり,コンソールでの立体視による手術操作が可能となった.泌尿器科が専門とする,後腹膜腔や小骨盤内などの狭小な空間で剥離,縫合を施行する手術ではダビンチにより低侵襲手術の質的向上は明らかである.一方,ダビンチによるロボット手術は触覚が無いため手術操作習得には独自の教育プログラムおよびラーニング・カーブが必要となる.このような状況下に於いて,円滑且つ安全なロボット支援手術の導入に寄与するよう日本泌尿器科学会(JUA)/日本泌尿器内視鏡学会(JSE)は泌尿器ロボット支援手術プロクター認定制度を制定した.これにより本邦における泌尿器ロボット支援手術の健全な普及と進歩を促し,ひいては国民の福祉に貢献することが期待される.本プロクター認定制度は国単位の学術学会が中心となって制定したものとしては世界で初めてであり,2015年より本格的に運用が開始される.
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© 2015 日本泌尿器内視鏡学会
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