Japanese Journal of Endourology
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特集1:JUA/JSEプロクター認定制度
米国におけるプロクターシステム
吉岡 邦彦
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2015 年 28 巻 2 号 p. 158-161

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抄録

 ロボット支援手術の急速な普及に伴い,米国泌尿器科学会(American Urological Association:AUA) は,ロボット支援手術の技術認定制度の確立,実行を関連各施設に推奨しており,現時点では各施設が独自に作成した技術認定制度のもとでロボット支援手術を開始している.AUAをはじめ各種ロボット支援手術関連団体(Foundation of Robotic SurgeryやSociety of Urologic Robotic Surgeons)は技術認定制度にプロクターシステムを組み込むことを推奨しているが,このプロクターシステムは企業(Intuitive Surgical Inc.:ISI社)主導で施行されている.その役割は,施設として特定の術者に当該手術の技術認定を与える上での最終評価項目であるとともに,導入期の安全性を担保することである.米国のプロクター医師は,特定の術者が単独で手術を安全に効果的に行うためのパフォーマンスや能力を観察,評価するオブザーバーであり,患者の安全面に法的責任を持たないため困難な局面に遭遇した場合でも積極的に手術に介入することはない.プロクター医師は術者の手術技術評価表を施設長に報告し,その結果として当該術者は当該手術の今後の施行に対して施設長からの全面的あるいは制限付き許可を得るか,場合によっては以降の当該手術を計画する前に更なるトレーニングを課せられる.本稿では我が国とは異なる定義で施行されている米国のプロクターシステムについて論ずる.また本稿ではプロクターとして指導に当たる医師をプロクター医師,指導を受ける術者をプロクター術者,そしてプロクター医師を招聘しての教育的手術をプロクター手術と記す.

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© 2015 日本泌尿器内視鏡学会
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