Japanese Journal of Endourology
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前立腺
MRI-TRUS融合画像リアルタイムガイド下経会陰式前立腺標的狙撃生検による前立腺癌診断の有用性に関する検討
小路 直平岩 真一郎橋本 亜樹生日暮 太朗川上 正能朝長 哲朗中野 まゆら花井 一也橋田 和靖遠藤 じゅん長谷部 光泉田尻 琢磨寺地 敏郎内田 豊昭
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2015 年 28 巻 2 号 p. 308-316

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抄録
 【目的】今回,われわれは,MRI-TRUS融合画像リアルタイムガイド下経会陰式前立腺標的狙撃生検による前立腺癌診断の有用性について検討した.
 【方法】対象は,2014年1月から11月までに,PSA値20ng/ml以下で,mpMRIにおいて,前立腺癌が存在する可能性が示唆された(PI-RADS classification 2-5)症例.各症例に対して,BioJet®(D&K Technologies GmbH,Barum,Germany)を用いた標的狙撃生検,および系統的12カ所生検を初回生検として行った.
 【結果】対象は,90症例.対象症例の年齢中央値は68歳,PSA中央値は6.7 ng/ml,前立腺体積中央値は37mlで,症例毎の生検穿刺数中央値は14カ所であった.51症例(57%)で癌が検出され,系統的生検コアおよび標的狙撃生検コアにおける癌検出率は,それぞれ6.0%および38%で有意差が認められた(p<0.0001).MRIにおいて癌が強く疑われた,いわゆるPI-RADS classification 4および5の病変における癌陽性率は,52%および82%であった.系統的生検コアおよび標的狙撃生検コアにおける癌組織長の中央値は,2mmおよび8mm(p<0.0001),癌組織の割合は,16%および58%(p<0.0001)であった.Gleason score中央値は,6および6.5(p=0.001)と有意差が認められた.標的狙撃生検により診断されたsignificant cancerの局在診断は,摘出標本におけるsignificant cancerの局在およびGleason scoreと,全症例(n=16)で一致が認められた.
 【考察】本検討における標的狙撃生検は,significant cancerの検出およびその局在診断において,有用である可能性が示唆された.
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© 2015 日本泌尿器内視鏡学会
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