Japanese Journal of Endourology
Online ISSN : 2187-4700
Print ISSN : 2186-1889
ISSN-L : 2186-1889
前立腺
経尿道的前立腺核出術(transurethral enucleation with bipolar:TUEB)における術後有熱性尿路性器感染症発生頻度についての検討
東郷 容和嶋谷 公宏花咲 毅長澤 誠司山田 祐介橋本 貴彦上田 康生鈴木 透相原 衣江呉 秀賢兼松 明弘古倉 浩次野島 道生山本 新吾
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 28 巻 2 号 p. 317-321

詳細
抄録
 我々は,TUEBを施行した209症例(同時に施行された膀胱砕石術18例および前立腺生検14例を除く)を対象に,術後有熱性尿路性器感染症の発生頻度についての検討を行った.
 使用抗菌薬は第1世代セフェム系が最も多く105例(50.2%),次いで第2世代セフェム系82例(39.2%)であった.
 抗菌薬投与期間は単回が最も多く79例(37.8%),次いで2日58例(27.8%)であった.
 術後有熱性尿路性器感染症の発生頻度は6例(2.9%)であり, 急性前立腺炎4例(1.9%), 急性精巣上体炎2例(1.0%)であった.
 感染症発生の危険因子は術前残尿量(P=0.04)であった.
 術前膿尿の有無に関わらず,単回投与と複数回投与において術後感染発生に有意な差を認めなかった(P=1.00,1.00).
 しかし,経尿道的前立腺核出術における至適投与期間に関しては,前向きなランダム化試験が必要であろう.
著者関連情報
© 2015 日本泌尿器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top