Japanese Journal of Endourology
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Endourology
聖マリアンナ医科大学における腫瘍性尿管閉塞に対する全長型金属尿管ステント(Cook Resonance®)の導入と治療経験
西 智弘中澤 龍斗藤本 瑛介相田 紘一朗北島 和樹工藤 浩也佐々木 秀郎力石 辰也
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2017 年 30 巻 1 号 p. 97-101

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抄録

 【目的】腫瘍性尿管閉塞に対する全長型金属尿管ステント(Cook Resonance®)の有用性について検討を行った.

 【対象と方法】聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科で2014年12月から2015年5月までの期間に腫瘍性尿管閉塞症例に対して全長型金属尿管ステントへの交換または挿入を行った15症例27尿管を対象とした.ステント留置から1年間まで追跡し,開存率,合併症の有無を検討した.

 【結果】平均年齢は66.1歳,男性6例,女性9例,観察期間は61-365日であった.腫瘍性尿管閉塞の原因となった悪性疾患は,子宮頸癌,子宮体癌,胃癌,S状結腸癌,乳癌,悪性リンパ腫であった.4症例5尿管にステント不全を認めた.ステントの6ヶ月間の開存率は87.6%であり,12ヶ月間の開存率は58.6%であった.

 【結論】腫瘍性尿管閉塞症例に対する全長型金属尿管ステントの導入は癌終末期における尿路確保に有用であり安全に施行することができた.

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© 2017 日本泌尿器内視鏡学会
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