2017 年 30 巻 2 号 p. 216-222
当院における3D腹腔鏡を使用した腹腔鏡下腎盂形成術の成績を検討した. 対象は, 2014年4月から2016年12月までの21症例で, 全例Dismembered Anderson-Hynes法で施行した. 手術時間中央値は253分, D-Jカテーテル挿入時間込みの縫合時間中央値は64分, 腎盂尿管縫合数中央値は13針であった. 3D導入前の2D腹腔鏡での単一術者の腹腔鏡下腎盂形成術を比較すると, 平均手術時間は208分と短縮し, 平均縫合時間は53.9分で短縮傾向を認めるのみであったが腎盂尿管縫合数は平均14.1針と増加し, 3D腹腔鏡を使用することでより繊細な手術をより容易に行えると思われた. 再入院を要する術後合併症を迷入したD-Jカテーテルを尿管鏡にて抜去した1例に認めたが, 初診時症状は全例で改善を認めた. 3D腹腔鏡での腹腔鏡下腎盂形成術は良好な成績であった.