【目的】ソフト凝固を用いた腹腔鏡下無阻血無縫合腎部分切除術の腎機能に対する影響を検討する.
【対象と方法】
2009年6月から2017年9月の期間に腹腔鏡下腎部分切除を施行した86症例を対象とし, 術中に阻血及び実質縫合のいずれも行わなかった群 (無阻血無縫合群) と, 阻血および実質縫合のいずれかもしくは両方を行った群 (阻血/縫合群) の2群に分け, 腎機能について検討した.
【結果】
無阻血無縫合群では術後1日目に有意なeGFRの低下を認めるものの, 術後3-5日目には術前と同等へ改善を認めたのに対して, 阻血/縫合群では有意なeGFRの低下が1年後まで持続していた.
【結論】
ソフト凝固を用いた腹腔鏡下無阻血無縫合腎部分切除術は術後腎機能温存に優れた術式である.