2020 年 33 巻 1 号 p. 133-137
目的 :
当院で行われたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術 (RARP) の生化学的再発 (BCR) のリスク因子を検討すること.
方法 :
2012年7月から2016年6月までに当院で施行され, 3年以上経過観察した症例のBCRのリスク因子を後方視的に検討.
結果 :
対象症例は241例. 2年, 3年BCR-free生存率は89.6%, 88.0%だった. 多変量解析で病理学的にリンパ節転移を有すること, 被膜外浸潤を有すること, 精嚢浸潤を有すること, 脈管侵襲を有すること, 後側壁での切除断端陽性がBCRの独立したリスク因子だった.
結論 :
後側壁で切除断端陽性であることがBCRの独立したリスク因子だった. RARPにより後壁での切除断端の陽性率を低下させることで, 長期予後の改善に繋がる可能性が示唆された.