Japanese Journal of Endourology
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ロボット手術
ロボット支援前立腺全摘除術における早期尿禁制獲得のための新たな工夫―肛門挙筋を用いた後壁補強の有用性―
伊藤 克弘荒木 博賢内田 稔大真鍋 由美宮崎 有三品 睦輝奥野 博
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2020 年 33 巻 1 号 p. 126-132

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抄録

 【目的】ロボット支援前立腺全摘除術 (RARP) における, 肛門挙筋を用いた新規後壁補強手技の有用性を評価する.

 【方法】2018年7月以降にRARP時に新規後壁補強法を行った43例と, 2016年10月以降に従来の後壁補強法を行った79例とを比較し, 術後半年間の尿禁制率 (尿パッド0枚) について検討した.

 【結果】術後1, 3, 6カ月目の尿禁制達成率は新規後壁補強群と従来群でそれぞれ26% vs 9%, 33% vs 25%, 59% vs 42%であり, 有意に新規後壁補強群で改善していた (p<0.01). 多変量解析で新規後壁補強手技は有意に尿禁制達成に寄与していた (ハザード比2.42, 95%信頼区間1.46-4.00, p<0.01).

 【結語】RARPにおいて, 肛門挙筋を用いた新規後壁補強法は有意に尿禁制の早期回復に寄与していた.

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© 2020 日本泌尿器内視鏡学会
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