2020 年 33 巻 1 号 p. 151-157
高リスク前立腺癌に対するロボット支援前立腺全摘除術 (RARP) の治療成績を後方視的に検討した. 対象は2011年9月より2018年2月迄に当施設でRARPを施行した高リスク前立腺癌404例, 比較対照に2010年4月より2016年1月迄の開放手術 (ORP) 群144例を用いた. 高リスクの定義は, 臨床病期T3a以上, Gleason score 8-10, PSA>20 ng/mLのいずれかに該当例とした. 手術時間はRARP群, ORP群で中央値242分 : 207分, 出血量は中央値55 mL : 880 mL, 外科的切除断端陽性率は32% : 55%, 生化学的再発までの期間は中央値45.4カ月 : 28.0カ月 (各p<0.01). 高リスク前立腺癌に対するRARPはORPと比較し, 術中出血量が少なく, 断端陽性率が低く, 生化学的再発までの期間が長かった.