2021 年 34 巻 1 号 p. 34-37
小児に対する腎盂形成術は, 成人の腎盂形成と行うことは同じであるが, 手術野のサイズ, 尿管の細さ・脆弱性のみならず, 原因疾患の違いも経験される. 小児腎盂形成術を行う上で重要なのは, 小児ゆえの病態を充分に理解したうえで, 無理のない手術を行うことであり, 5歳以下の水腎症では十分な経験を積んだもののみが腹腔鏡下手術を行うことが望まれる.
小児では成人と異なり体表より腎盂尿管移行部が近いため, 2-3 cm程度の切開で開放手術が行えるため, 創部が小さくなること以上のメリットも手術を行う上で必要である.
尿管ポリープ, 下大静脈後尿管, 馬蹄腎などの病態では開放手術より腹腔鏡下手術が有利であり, このような病態や年長児では腹腔鏡手術を行うことが勧められる.
小児症例では腹腔鏡下腎盂形成術の適応が可能かどうかを見極めることが重要である.