2021 年 34 巻 2 号 p. 221-225
骨盤臓器脱に対する治療として, 2010年に経腟メッシュ手術が, 2014年に腹腔鏡下仙骨膣固定術が保険収載され, 泌尿器科医が骨盤臓器脱に対する治療を行うことも一般的になってきている.
2020年4月の診療報酬改定により, 新たにロボット支援腹腔鏡下仙骨膣固定術が保険収載された. 腹腔鏡下仙骨膣固定術は, 正確な剥離操作を要し, 深部での縫合結紮操作を多用する手術であることなど, 良性疾患に対する手術でありながら手技の難易度が比較的高い術式であると考えられる. これに対して手術支援ロボットを用いることで, 手術の難易度が低減されること, 手術成績が向上することが期待される.
当院でも2020年8月よりロボット支援下仙骨膣固定術を導入した. ロボット支援下仙骨膣固定術のメリットやデメリット, 導入の意義などについて, 手術導入に向けた取り組みについて述べる.