Japanese Journal of Endourology
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特集4:これから始めるロボット支援下腎盂形成術
適応と画像診断
内藤 泰行安食 淳浮村 理
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2021 年 34 巻 2 号 p. 238-242

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抄録

 腎盂尿管移行部通過障害に対するロボット支援腹腔鏡下腎盂形成術の手術適応と画像診断について概説する.

 まず, 腎盂形成術の手術適応は, 感染や痛みそして結石形成などの症状のあるもの, 無症候性では, 高度の腎盂拡張があり, 進行性の患側腎機能障害が認められるものや, 既に分腎機能低下があり拡張が長期にわたり継続するものと考えられる. さらに, このロボット支援腹腔鏡下腎盂形成術の手術適応については, 日本小児泌尿器科学会の小児先天性水腎症診療手引き2016によれば, 体重10 Kg以上が推奨されるとなっているが, まずは成人症例に取り組んだうえで経験をつんで徐々に適応年齢や下げていくことが肝要と考える.

 腎盂尿管移行部通過障害に重要な画像診断には, 超音波検査, 造影CT, MRI, 逆行性腎盂造影 (RP), そして利尿レノグラムがある. 特に成人症例では, 腫瘍性病変や結石などの鑑別診断に有用であるとともに, レノグラムは治療方針を決定するための重要な検査である. さらに, RPは病態の診断のみならず, 形成手術における重要でかつ多くの情報を得ることのできる検査である.

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© 2021 日本泌尿器内視鏡学会
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