【目的】消防機関の救急救命士における専門職としてのキャリア形成には課題があるだけでなく,蓄積された重層的なストレスとの関係が考えられる。本研究では,専門職としてのキャリア形成志向とバーンアウトの関係について検討した。【方法】Webアンケートにより取得したデータからキャリア形成志向3群(キャリア非形成者群,消防組織内キャリア形成者群,消防組織外キャリア形成者群)に分類し,Kruskal-Wallis検定,多重比較,生成的コーディングにより分析した。【対象】2017年に取得したWebアンケートデータから,消防機関に属する救急救命士を対象とした(n=190)。【結果】バーンアウト下位尺度の得点平均で3群の得点平均に有意差(p<0.001)が認められた。【結論】キャリア形成志向よりもキャリア非形成志向の救急救命士ほどバーンアウトに至る可能性がある。また,消防機関に属する救急救命士のバーンアウトは,個人的達成感の低下を基調としていることが示唆される。