【目的】消防機関所属の救急救命士(以下,消防救命士)が抱く英語のとらえ方を明らかにし,救急救命士の医学英語教育に対する課題を検討する。【方法】消防救命士を対象に無記名のWebアンケートを実施した。質問内容は自由記述を含む12項目とした。統計解析はEZRを用い,p<0.05を有意差ありとした。【結果】76名から回答を得た。そのうち79.0%の者が外国人傷病者の対応経験があった。また,73.7%の者が救急救命士の英語能力の必要性を感じており,外国人傷病者対応経験があった者ほど,有意に英語能力の必要性を感じていた。「英語能力は必要ない」と回答した者の理由としては,「多言語音声翻訳アプリ等で対応可能」という意見がみられた。77.6%の者は「今後も英語を学習したい」と回答し,その分野として「日常英会話,救急現場活動に特化した英会話」という意見がみられた。【結語】救急救命士の医学英語能力を向上させるため,多角的に教育方略を検討する必要がある。