2007 年 10 巻 1 号 p. 1-8
JPTECTMプロバイダーコースにおける試験成績・IP取得率に地域差が存在するという経験的事実に関して,その背景と原因を考察する目的で,2003年3月から2005年3月までにJPTECTM協議会東海・甲信支部で開催されたJPTECTMプロバイダーコースを受講した2,246名の試験結果を試験地別,職種別に比較,検討を行った。実技試験成績と筆記試験成績には正の相関が認められたが,IP取得率は試験地別に有意差を認めた組み合わせが存在した。この原因には受講者背景(医療資格)が地域によって異なることが考えられたが,実技試験の難易度や評価に地域差があると示唆される結果も存在した。シミュレーション主体の教育コースとして実技試験評価に地域差があることは間題であり,JPTECTM協議会は制度改定とインストラクター教育に取り組む必要がある。