日本臨床救急医学会雑誌
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原著
日本における一酸化炭素中毒による死亡
―1968-2007年の人口動態統計をもとに―
伊東 剛中村 好一
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2010 年 13 巻 3 号 p. 275-282

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抄録

緒言:一酸化炭素中毒による死亡についての統計を解析し考察した。方法:1968年から2007年の人口動態統計をもとに年齢調整死亡率を求めた。また,一酸化炭素中毒による死亡が急増した2003年から2007年について都道府県別の粗死亡率を求めた。結果:年齢調整死亡率は1984年にピークを形成した後漸減し,以後男性で人口10万対1.8-2.8,女性0.4-0.6で推移していたが,2003年以降男性4.9-7.1,女性0.9-1.2と急増が認められた。性差は1976年以降にみられ,男性の死亡率は女性の死亡率の1.8-6.8倍であった。粗死亡率が最高は青森で人口10万対7.1人,次いで岩手7.0,秋田6.8であった。最低は東京1.7で,次いで沖縄1.9,神奈川2.1であった。結論:一酸化炭素中毒死は,2003年以降急増しており,男性および東北地方に多い傾向が認められた。

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