再教育病院実習に臨む救急救命士の多くは,病院実習ガイドラインに特殊領域診療科と記されている精神科,小児科,産科での実習を望んでいる。本研究では特殊領域診療科での病院実習の必要性を明らかにして,特殊領域を含む新しい病院実習プログラムを試験的に実施したので,その効果を含め報告する。対象とした近隣地域の救急救命士計85名に対しアンケート調査を実施した。研究1:特殊領域を含む実習の必要性の根拠と近隣地域の2次救急病院の実習受け入れ体制の調査。研究2:特殊領域を含む新しい実習プログラムの内容への評価。結果:2次救急病院での特殊領域の実習機会は少なく,特殊領域診療科を併設する3次救急施設での病院実習を100%の救急救命士が希望した。今後,救急救命士の救急活動上発生する特殊疾患に沿った病院実習の実践が望まれた。また,本研究で試験的に実施したプログラムは,特殊領域診療科の協力体制下では可能であった。