日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
山口県豪雨災害における山口大学DMATの災害現場活動と今後の課題
藤田 基笠岡 俊志金田 浩太郎冨本 恵美向江 剛高砂 真明戸谷 昌樹小田 泰崇鶴田 良介前川 剛志
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キーワード: DMAT, 土砂災害, 豪雨
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2011 年 14 巻 1 号 p. 69-72

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抄録

2009年7月,県内で発生した豪雨土砂災害に対して県からの要請で初めて災害現場出動を経験した。山間部を走る国道沿いで発生した豪雨による土砂災害に対して,午後1時30分,県からDMAT(Disaster Medical Assistance Team)の出動要請があった。救助隊が巻き込まれる2次災害が発生しているが,詳細は不明であった。携行資機材を準備し医師3名,看護師2名,事務調整員1名の体制で現場に向かった。消防現場指揮所で先着の他院DMATと合流し今後の現場活動について協議し,消防からの要請で家屋に取り残された高齢者の救護を行った。その後,県からの指示で救護所に移動しヘリ搬送に備えたが,実際の患者搬送はなく午後8時過ぎに現場活動を終了した。初めての災害現場活動を経験し,安全確保のための消防機関との連携,水害に対処できる移動手段の確保と携行資機材の準備,DMAT間の連携と統括などの課題が明らかになった。

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© 2011 日本臨床救急医学会
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