日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
「中学生のための救急蘇生講座」15年継続の成果と問題点
内村 正幸山口 智之滝浪 實小林 隆夫荻野 和功青木 克憲吉野 篤人鈴木 英俊川合 克始
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2011 年 14 巻 4 号 p. 502-505

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抄録

病院外で突然発生した心停止傷病者の救命には,「救命の連鎖」を迅速に行う普及活動が大きな成果をもたらす。浜松市医師会では,1995年に開始された中学生の週休二日制に着目して,「中学生のための救急蘇生講座」を開いてきた。この講座の特徴は,開業医,勤務医,救急隊員,市教育委員会担当者が一体となって行うことである。開講して15年が経過し,通算460回の講座を開き,受講した中学生は1万3,000名を突破した。年間参加校は,浜松市公立中学校48校と他2校を加えた50校である。この講座の広がりに追従して成人救護講習受講者が急増し,とくに,2007年以後は浜松市全人口の5.1%となり,浜松市における高いバイスタンダーCPR率に貢献しているものと考えられる。中学生に「人の命の大切さ」を教える本講座の有効性について報告する。

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© 2011 日本臨床救急医学会
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