日本臨床救急医学会雑誌
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総説
救急診療における320列CTの有用性
市川 宏紀野田 孝浩山口 均
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2013 年 16 巻 2 号 p. 51-58

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抄録

当院では2012年1月に新救命救急センターを開設した。新規に導入された320列CTにより,外傷患者において160列などの多列ヘリカルスキャンを使用すれば,広範囲を高速で撮影でき,全身ダイナミック検査も可能になった。懸念される被曝線量はAIDR-3Dを使用し,最大80%程低減できる。画質においてもストリークアーチフアクトの低減効果があり,上肢挙上できない患者の胸腹部撮影に有用である。頭部領域では全脳をカバーした時系列撮影が可能であり,全脳の灌流情報が得られ,血栓溶解剤の早期処方決定に有用である。循環器領域では心臓全体を最短0.35秒で撮影できるため,不整脈や息止め不良でも安定した検査が可能であり,休日や深夜においても積極的に活用している。胸痛患者に対してはvHP機能で肺動脈~大動脈の一括撮影も可能となった。320列CTは外傷だけでなく内因性疾患に対しても活用でき,救急診療においても有益な装置である。

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© 2013 日本臨床救急医学会
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