抄録
目的:クリティカルケア看護領域に勤務する看護師のキャリア支援の体制構築の基礎資料として,当該領域の看護師の職業的成熟度について個人的背景および認定看護師・専門看護師への関心の有無により差異があるか否かを明らかにする。方法:A 地区の救命救急センターおよび集中治療部門に勤務する看護師を対象に,基本的属性,認定看護師・専門看護師に対する関心の有無,職業的成熟度について郵送留め置き法で調査した。職業的成熟度は職業キャリア成熟尺度を用いた。結果:職業キャリア成熟尺度得点は年齢,看護師経験年数,救急看護師経験年数とごく弱い正の相関を認めた。また,職業的成熟度は女性看護師より男性看護師が,子どものいない者より子どものいる者が,認定看護師,専門看護師に対する関心がある者が有意に高値であった。結論:クリティカルケア看護領域に勤務する看護師のキャリア支援には,キャリア発達やライフイベントに合わせた支援の在り方および職業的成熟度を高めるために専門分野の探求やキャリアビジョンの明確化ができるような体制構築が必要であることが示唆された。