日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救急医不在地域のon-line medical control
岩下 具美市川 通太郎徳永 健太郎望月 勝徳今村 浩岡元 和文
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2014 年 17 巻 3 号 p. 408-413

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抄録
目的:医師不足と偏在により,救急医がon-line medical control(以下,OMCと略す)に対応できない地域がある。「管轄区域内の非救急医よりも,区域外の救急医が対応するOMCの方が,救急救命士の特定行為実施率と蘇生率を向上させる」と仮説をたて,後方視的に検証した。方法:救急医不在地域のOMCを他医療圏の救急医が対応開始した2012年8月から1年間を後期,本運用開始前の1年間を前期として,院外心肺停止搬送記録から特定行為・転帰について比較した。結果:特定行為の指示要請率(前期53→後期85%)と実施率(気管挿管4→19%・静脈路確保26→58%)は有意に増加したが,特定行為成功率と転帰に差はなかった。結論:他医療圏の救急医が救急医不在地域のOMC を担当することは,特定行為の実施を増加させたが転帰の改善はなかった。今後,救急救命士の特定行為経験値上昇に伴う成功率向上と転帰改善が期待される。高質で常時・即時的なOMC構築のために,救急医不足地域では区域外の救急医にOMCを移譲・分担することが一方策と考える。
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© 2014 日本臨床救急医学会
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