日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
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ISSN-L : 1345-0581
調査・報告
感染症専門医の常勤する新型救命救急センターでの研修医教育の効果
—4年間のアンケート調査—
福地 貴彦川﨑 貞男益満 茜足川 財啓大路 剛岩田 健太郎
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2014 年 17 巻 5 号 p. 693-698

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抄録
当院では,救命救急科をローテートする研修医が,軽症から重症までのほぼ全ての患者を指導医とともに初療する体制を採っている。入院が必要と判断された患者の場合,臓器特異的な疾患である場合を除き,初診を担当した研修医が引き続き退院まで担当することを原則にしている。また感染症専門医が救命救急科に常勤し,外来から入院患者のフォローまで研修医とディスカッションを繰り返すことで感染症診療を教育しており,さらに週1回抗菌薬の講義を行うことで基礎的な理論を補っている。この診療教育体制の中で,当院救命救急科で研修を受けた研修医48人にアンケート調査(回収率96%)をしたところ,当院救命救急科での研修は感染症診療に関して満足度の高い内容であった。免疫不全患者,臓器移植患者の診療など一部不足する診療内容は存在するが,感染症専門医が常駐している新型救命救急センターは,感染症診療を修練するのに適した医育機関であると考える。
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© 2014 日本臨床救急医学会
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