2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17164
2023年,阿字ヶ浦海岸北部より8,500m3の砂を採取し,海岸南部で投入するサンドリサイクルを行った.砂投入前の6月1日,投入後の7月8日と10月10日にはUAV測量を行い,砂投入に伴う地形変化を調べた.この間,8月10日~8月15日には台風7号に伴う高波浪が作用し,養浜砂の流出が起きた.流出前後に実施したUAV測量はdiscreteな観測であったために,地形の経時変化過程は明らかではない.そこで8台のタイムラプスカメラを設置して定時観測を行い,波の遡上と前浜の侵食状況を観測した.この結果,養浜砂は台風7号時のH1/3=3m,T1/3=10sの比較的周期の長い高波浪の作用時に一挙に運び去られ,砂採取域ではT.P.+2.8mのバームの再形成が進んだことが分かった.