日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
ウイルス性腸炎を契機に腸重積症となった1例
宮本 和幸阿部 裕飯島 忠田中 幸太郎三宅 康史有賀 徹
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2014 年 17 巻 5 号 p. 708-710

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抄録
腸重積症の90%は小児に発症し,成人での発症は稀である。症例は,30代の女性。2週間前から時に間欠的な腹痛,血便があった。2日前から頻回の水様性下痢・嘔吐・腹痛が出現した。便中ノロウイルス抗原が陽性で感染性腸炎と診断した。しかし,来院後も強い間欠性の腹痛が続いたため腹部CT を施行したところ,上行結腸癌が先進部となり回盲部が脾弯曲部まで重積していた。緊急手術で整復し,回盲部切除を施行した。ノロウイルスは冬季に流行し,成人では重症化することは稀なため,自宅で対症療法となることが多い。成人の腸重積症は典型的な症状を認めないことも多く,初期症状は感染性腸炎と類似する点も多い。しかし,85〜90%は器質的疾患が先進部となり,手術加療を要することが多く,感染性腸炎との鑑別は重要である。ノロウイルス抗原陽性でも,通常とは異なる強い腹痛を訴える症例では詳細な病歴聴取,CTなどの積極的な原因検索が必要と考えた。
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© 2014 日本臨床救急医学会
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