日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
外傷性気胸・縦郭気腫により気腹症を呈した1例
石井 亘荒井 裕介飯塚 亮二榊原 謙小田 和正檜垣 聡北村 誠
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2014 年 17 巻 5 号 p. 704-707

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抄録
墜落外傷により消化管穿孔を伴わない腹腔内遊離ガスをきたした1例を経験したので報告する。症例は30歳代, 男性。木に登って作業中,約9mの高さから墜落。搬入時,GCS E4V5M6であり,Focused assessment with sonography for trauma(迅速超音波検査法,以下FASTと略す)は陰性であった。右胸部痛あり。胸部臥位Xp検査にて右気胸を認めたため胸腔ドレーンを挿入。腹部は平坦・軟であり,筋性防御は認めなかった。軽度の炎症所見の上昇および肝酵素の上昇を認めた。CT検査では,右肺挫傷・縦隔気腫・腹腔内遊離ガスを認めた。以上より,右気胸,右肺挫傷,特発性気腹症として絶飲食のうえ保存治療を行い,経過良好にて退院となった。特発性気腹症の治療は,原因がいずれであっても基本的には保存加療にて軽快することが多く,予後も良好な疾患である。しかし,消化管穿孔と診断され手術治療を選択していることが散見される。本症例では,墜落時の衝撃による胸腔内圧の上昇により,縦隔的経路にてガスが腹腔内に到達したと推測された。
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© 2014 日本臨床救急医学会
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