抄録
はじめに:CT画像検査は救急外来(以下,ER)での重要な診断ツールである。当院では救急科と放射線科が合同で画像読影カンファレンスを行っており,診断精度の向上に努めている。目的:ERにおけるCT画像診断において,ER担当医と放射線科医の診断不一致症例の傾向を明らかにする。方法:2008年11月〜2010年4月の当院の救急画像カンファレンス記録から,部位別のCT施行数,診断不一致症例を調査した。結果:診断不一致症例は腹部が18例と最も多かった。腹部18例の内訳は急性腹症が9例,腫瘍が9例であり,頭部の診断不一致症例12例中10例は軽症頭部外傷であった。考察と結論:急性腹症,腫瘍性病変,軽症頭部外傷がER担当医のCT画像診断におけるピットフォールと言え,放射線科医との連携で早期発見が可能となりうる。