日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
後天性血友病を背景にした軽微な外傷にて出血性ショックを来した一例
松田 律史奈良 健司松浦 誠菅沼 和樹岩倉 賢也中谷 充志賀 一博矢野 賢一淺井 精一早川 達也
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2016 年 19 巻 3 号 p. 539-543

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抄録
後天性血友病はおもに第Ⅷ因子に対する自己抗体によって生じる易出血性を呈する比較的まれな疾患であり,高齢者に多いとされる。今回,後天性血友病を背景に,軽微な外傷により出血性ショックを来した一例を経験したので報告する。患者は90歳男性,脳梗塞後遺症など多くの既往を有し,シロスタゾールやプロトンポンプ阻害薬,β遮断薬など多剤内服中であった。来院5日前に自宅玄関で転倒し,四肢・体幹部を打撲,その後,徐々に食思不振,全身倦怠感が進行し,救急車で当院に搬送された。四肢・体幹部の広範な皮下出血による出血性ショックの診断で集中治療室に入室し,その後,赤血球輸血などを行い全身状態は改善した。状態安定後も活性化部分トロンボプラスチン時間延長を認め,各種検査の結果,後天性血友病Aと診断された。軽微な外傷による出血性ショックにおいて,原因となる出血傾向について評価を行い,適切な治療計画を企図することが重要であると考えられた。
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© 2016 日本臨床救急医学会
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