2016 年 19 巻 5 号 p. 657-663
目的:院内トリアージ用紙の運用の効果と院内トリアージにおける看護師の判断の実態,および看護師の行う院内トリアージに関する問題点,改善点を明らかにすること。方法:実際に院内トリアージを行った1,382件を集計し解析を行った。また,トリアージナース18名を対象とした看護師判断の質問紙調査を行った。結果:院内トリアージでは呼吸数,および二次トリアージの記入率が低い結果となり,質問紙調査でも他の項目に比べて呼吸数と二次トリアージを必ず記入するという回答率は低かった。呼吸数の記入率に対して,看護師経験年数,体温,血圧,SpO2,および意識レベルの記入が関連しており,二次トリアージの記入率には,看護師経験年数,一次トリアージ評価,およびSpO2の記入が関連していた。結論:トリアージナースによる院内トリアージ用紙の運用では,呼吸数および二次トリアージ評価の記入率が低く,その記入率に影響する因子が明らかとなった。