2016 年 19 巻 5 号 p. 691-694
腸腰筋膿瘍は比較的まれな疾患とされていたが,最近では画像診断の発達に伴って報告数が増えてきている。しかし,そのなかでも巨大腸腰筋膿瘍として報告されているものは少ない。今回われわれは最大膿瘍径11×10cm,右大腰筋起始部から右大腿四頭筋近位部にかけて上下方向に約50cm広がるきわめて大きな多房性の腸腰筋膿瘍を経験した。CTガイド下で経皮的ドレナージを試みたが,カテーテル先端が隔壁にあたりドレナージ困難であったため,外科的に切開排膿術を施行して治療し得た。MRIでは腸腰筋近傍に直接的に炎症を及ぼす所見を認めず,原発性腸腰筋膿瘍と診断した。感染の原因としては,コントロール不良の糖尿病,アルコール多飲や低栄養が考えられた。