2016 年 19 巻 6 号 p. 703-710
ツイッターで熱中症の共起ワードに着目し,熱中症救急搬送者数との関係を検討した。2014年6月1日から9月30日の間の,日別の熱中症救急搬送者数を集計し,「熱中症と考えられる」ツイートの114,003件を分析対象とした。搬送者数とツイート数の相関係数は0.91で強い相関があり,地域でも同様であった。共起ワードを検討すると,熱中症とは直接関係性が考えにくい単語でも相関が強い場合があることが明らかとなった。年代別での検討では50代以上で頻出する共起ワードの使用率が他の年代と比較して高かったが,性別での検討では,明らかな特徴はなかった。今回の結果は2014年,単年の分析結果であり,他年にも同様の傾向があるかについては検討する必要がある。50代以上はツイートの利用率は低いが,他の世代に比較して共起ワードの検出率が高かった。本結果をもとに,今後,SNSを用いた熱中症の予防に役立つような手法の開発が望まれる。