日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
病院前ブドウ糖投与プロトコールの適応とならなかった低血糖の2例
田中 拓道金子 唯辛島 龍一岩下 晋輔入江 弘基吉野 幸生笠岡 俊志
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2016 年 19 巻 6 号 p. 741-744

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抄録

症例1:55歳,男性。主訴,意識障害。既往歴,2型糖尿病。早朝に唸り声を上げているのを家人が発見,呼びかけても返答がないため救急要請。救急隊血糖測定で51mg/dL。当院救急外来搬入時血糖測定を施行し35mg/dL。ブドウ糖投与し,意識レベル改善,経過観察の後,独歩帰宅となった。症例2:74歳,男性。主訴,意識障害。既往歴,2型糖尿病。就寝後の排尿介助時に意識が朦朧としており,3時間後の排尿介助時は呼びかけに反応がなく,救急要請。救急隊血糖測定で61mg/dL。当院救急外来搬入時血糖測定を施行し36mg/dL。ブドウ糖を投与し,意識レベル改善,経過観察の後,独歩帰宅となった。今回経験した2例は低血糖発作症例であったが,病院前ブドウ糖投与プロトコール適応とならなかった。

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© 2016 日本臨床救急医学会
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