日本臨床救急医学会雑誌
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ISSN-L : 1345-0581
原著
気管内挿管後の気管切開時期に関する検討
村岡 麻樹小池 荘介金井 尚之本間 宙佐々木 博一鈴木 秀道藤川 正池田 譲治池田 裕介牧野 義文
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1999 年 2 巻 2 号 p. 226-231

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抄録

当センターにおいて,1996年6月1日から1997年12月31日までの間に長期気道確保を目的として気管切開を施行した症例77例について検討した。当センターでは遷延性意識障害では来院時から,それ以外の症例では1週間後から,それぞれ3日以内の抜管を目安に気管切開施行時期を決定している。気管内挿管から気管切開までの期間は全体では平均7.7日で,遷延性意識障害症例では短い傾向にあった。47例で気管切開直後の喉頭観察を行った。正常例は7例のみで,残り40例に気管内挿管による合併症を認めた。一方,気管切開による出血,重篤な感染などの合併症は1例もなく,気管切開閉鎖後の気管狭窄も認められなかった。各々の合併症を考えれば,長期気道確保が必要な症例では早期の気管切開が望ましい。

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© 1999 日本臨床救急医学会
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