2018 年 21 巻 6 号 p. 772-775
press-through package(PTP)は広く普及している薬剤包装形態であり,その誤飲による消化管異物,消化管穿孔の報告は後を絶たない。症例は81歳の女性。腹痛を主訴に救急外来を受診し,受診3日前に内服薬が包装ごと見当たらなくなっていた。腹部単純CT検査では肝表面と骨盤内小腸周囲にfree airを認め,壁肥厚を有する小腸内および胃内にPTPを示唆する異物を認めた。2個のPTPによる小腸穿孔および胃内異物と診断し,同日緊急手術を施行した。下腹部正中切開にて開腹し回腸の穿孔部を同定,PTPを除去した後,小腸壁を縫合した。続いて,胃内異物を内視鏡的に摘出した。上部消化管の損傷はなく,術後経過は良好であった。消化管内に複数個のPTPが存在した報告は少なく,消化管穿孔を診断した場合,複数個の存在を念頭に置いて画像診断および治療方針決定を行うことが必要である。