日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例・事例報告
臨床倫理室での協議を必要とした高齢者の熱傷症例
熊田 恵介村上 啓雄柿野 圭紀土井 智章小倉 真治塚田 敬義豊田 泉
著者情報
キーワード: 臨床倫理, 高齢者救急
ジャーナル フリー

2018 年 21 巻 6 号 p. 776-779

詳細
抄録

80代,男性。熱湯により受傷し,熱傷面積は12%の深達度Ⅱ度であった。創部のデブリードマン・植皮術を施行し,創部ならびに全身状態は良好となったが,人工呼吸器からの早期離脱は困難と判断し,気管切開後に離脱を進める方針となった。受傷10日目に家族から気管切開・輸血等を含めた一切の治療を希望しないと申し出があった。治療拒否の意思は固いため岐阜大学医学部附属病院(以下,当院)臨床倫理室に相談した。その結果,医療ネグレクトに該当する可能性があり,本人の意思確認に加え当該診療科以外の医師からも家族への説明を行い,理解を得るよう努めることが求められた。再度説明したところ治療継続の理解を得た。結語:当院臨床倫理室での協議から円滑な対応が可能となった。医療従事者側には臨床倫理にかかわる知識が,医療機関側には対応可能な“場”の提供が必要と考えられ,双方が一体となって適切な対応が可能となるシステム構築が求められる。

著者関連情報
© 2018 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top