2018 年 21 巻 6 号 p. 776-779
80代,男性。熱湯により受傷し,熱傷面積は12%の深達度Ⅱ度であった。創部のデブリードマン・植皮術を施行し,創部ならびに全身状態は良好となったが,人工呼吸器からの早期離脱は困難と判断し,気管切開後に離脱を進める方針となった。受傷10日目に家族から気管切開・輸血等を含めた一切の治療を希望しないと申し出があった。治療拒否の意思は固いため岐阜大学医学部附属病院(以下,当院)臨床倫理室に相談した。その結果,医療ネグレクトに該当する可能性があり,本人の意思確認に加え当該診療科以外の医師からも家族への説明を行い,理解を得るよう努めることが求められた。再度説明したところ治療継続の理解を得た。結語:当院臨床倫理室での協議から円滑な対応が可能となった。医療従事者側には臨床倫理にかかわる知識が,医療機関側には対応可能な“場”の提供が必要と考えられ,双方が一体となって適切な対応が可能となるシステム構築が求められる。