目的:二次救急医療機関の感染症患者に対するqSOFAの予後予測能を検証し,認知障害を有する患者に対する意識を除いた簡便なprediction ruleを構築する。方法:当院に入院した18歳以上の肺炎,胆道感染症,尿路感染症(計500例)を対象にqSOFA,SIRSと院内死亡(35例)の関連を検討した。結果:全院内死亡に対するqSOFAのc-statisticは0.75でSIRSのc-statistic:0.61より高かった。認知障害を有する223例において意識を除いたqSOFA(2点)に年齢≧80 歳(1点),脈拍数≧110/分(1点)を加えたm-qSOFA(計4点)の院内死亡に対するc-statisticは0.80であった。結論:qSOFAの予後予測能はSIRSより優れていた。年齢,脈拍数を用いたm-qSOFAは意識の評価が困難な認知障害を有する患者の重症度評価に有用である。