目的:救急搬送傷病者に関する消防機関および医療機関で記録されたデータを地域網羅的に個別事例単位で統合したORIONシステムの登録データについて記述疫学的に報告する。 方法:2015年1月1日〜2016年12月31日までに発生した救急搬送傷病者を対象に,ORIONシステムに登録されたデータを集計し,傷病者背景について記述疫学的に集計した。結果:1,151,786例が登録され,うち753,301例を解析対象とした。初診時転帰は,入院39.7%,外来帰宅58.2%,転院1.1%,死亡1.0%であった。初診時診断は,損傷・中毒およびそのほかの外因疾患がもっとも多かった(26.2%)。21日後転帰は,入院中が29.2%,退院が59.0%であった。 確定時診断は循環器系疾患がもっとも多かった(20.3%)。結論:ORIONシステムに登録されたデータを用いて,救急搬送傷病者の実態を記述疫学的に明らかにした。
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