目的：院外心肺停止の目撃者による一次救命処置（CPR施行・AED使用）の実施状況を検討する。方法：2005〜2015年度に広島圏域メディカルコントロール管内で発生した内因性院外心肺停止症例を対象に，目撃者を4群（家族，家族以外の一般市民，施設関係者，医師・看護師）に分類し一次救命処置の状況を調べた。結果：対象は2,374例。目撃者によるAED実施は15例（1％）であった。家族群（n=1,539，目撃者CPR実施率＝36％），家族以外の一般市民群（n=358，39％）は施設関係者群（n=313，76％），医師・看護師群（n=164，87％）と比較し目撃者CPR実施率が有意に低かった。家族群の30日生存に関連する因子は年齢，初期心電図波形であったが，目撃者CPR との関連性も示唆された。結論：内因性院外CPA搬送症例の目撃者は家族がもっとも多いが，目撃者CPRの実施率は低く改善の余地がある。
