日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
外傷全身CT撮影における被ばく線量(CTDIvolとDLP)の国内実態調査
宮安 孝行藤村 一郎鈴木 淳平小倉 圭史田代 雅実田中 善啓大保 勇赤木 憲明五十嵐 隆元坂下 惠治
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2019 年 22 巻 5 号 p. 715-722

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抄録

目的:外傷全身CTを施行された症例の被ばく線量(CTDIvolとDLP)の全国調査を行い,国内の外傷全身CTの被ばく線量の現状を明らかにすること。方法:全国の救命救急センター284施設を対象とした。日本救急撮影技師認定機構が運用しているメーリングリストを用いて調査フォームを送付し,回答を得た。このうち標準的体形と考えられる体重50〜60kg群について被ばく線量の解析を行った。結果:55施設,症例数1,630例の回答が得られた。体重50〜60kg群は346症例であった。頭部から骨盤部まで造影剤を用いて2相撮影されたものは111例であり,中央値4,723.8mGy・cm,最小値1,766.8mGy・cm,最大値12,921.3mGy・cm であった。最大値/ 最小値は7.31であった。結語:外傷全身CTは症例ごとに撮影範囲が異なるため単純な比較はできないが,被ばく線量の格差が生じていることが示唆された。

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© 2019 日本臨床救急医学会
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