2019 年 22 巻 5 号 p. 709-714
年々救急搬送患者の増加がみられるなか,高齢者施設からの救急搬送も増加している。病院と高齢者施設,消防機関の相互理解を目的に「地域連携会議」を開催した。経緯と課題について報告する。目的:高齢者施設入所者が救急搬送される際,「救急搬送患者の情報提供」「家族との連絡」が課題であった。一方,消防機関も高齢者施設職員との間で知識の共有が十分できなかったという課題があった。結果:高齢者施設との連携促進を目的に「地域連携会議」を開催した。課題:「情報提供書」の統一を行い活用していくことや,病院の救急医や看護師による高齢者施設職員向けの研修会を検討していく必要があることがわかった。今後の展望:定期的に会議を行い,相互理解のための意見交換の場をつくることも大切である。「救急認定ソーシャルワーカー」には地域機関の調整役として機能することも大きな期待された役割であろう。