2020 年 23 巻 1 号 p. 42-47
「救急安心センターおおさか」では,脳卒中の早期症状を見逃さず,早期受診へつなげる取り組みの一つとして,電話救急医療相談の質の向上に努めてきた。2017年度看護師による緊急度判定の結果,脳卒中を疑い救急搬送に至った大阪市内の115症例を,重症度,傷病名,発症から入電までの時間を視点に検証した結果,電話救急医療相談における脳卒中の正診率は68.7%であった。本研究では,発症から電話救急医療相談に至るまでに時間を要している症例も多く,救急安心センター(#7119)の認知度を高め,『Time is brain』の概念を市民に普及させることが,一人でも多くの「潜在的な重症患者の救護」につながると考えられた。